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8月のセミナーのお知らせ

☆今月のセミナーの日程&テーマ☆
8月18日(土)  犬の予防を考えた犬との生活‐問題点の改善について‐

☆今後のセミナーの日程&テーマ☆
・9月15日(土)  あなたは犬派?猫派?
・10月20日(土) 犬を飼う前に考えよう‐さまざまな犬種について‐
〇時間 午後7時~9時まで
〇場所 吉田動物病院 アニマルケアセンター1階
〇講師 小西 伴彦先生 当院インストラクター
    ドッグサポート「plus Wan犬のしつけ方教室」 主宰
    一般社団法人ふくい動物愛護管理支援センター協会(FAPSC)代表理事
〇受講料 1回1人1000円 小学生以下無料
☆参加希望の方は受付又はお電話でご予約下さい
※参加受付の締め切りは前日です。
※ワンちゃん・ネコちゃんはお留守番でお願いします。

今月の病気③ 硬性鏡を用いた外耳炎治療

硬性鏡を用いた外耳炎治療

 耳科 高村文子

外耳炎は様々な原因によって起こりますが、治療で大事なことは耳道内をきれいに洗浄することです。ただ、通常の診察室内での耳道洗浄は動物の協力が得られない限り、なかなか鼓膜付近まで洗浄することが出来ません。というのも、犬の外耳道は構造的に垂直耳道と水平耳道に分かれてL字型になっているので、なかなか奥まで届かないのです。

そこで、用いるのが硬性鏡です。硬性鏡は硬い内視鏡のようなもので、耳の奥までモニターに映すことができます。横についた鉗子孔から鉗子を入れれば、耳の奥にできた腫瘤の一部を取って病理検査に出したり、異物(ノギなど)を除去したりできます。レーザーを入れれば、腫瘤を焼絡することもできます。これが一番のメリットですが、チューブを入れれば、鼓膜付近まできれいに洗浄することができます。デメリットは、麻酔下でないと完全な処置ができないところでしょうか。

外耳炎がなかなか良くならなくて困っている飼い主さんは多いと思います。その難治性外耳炎がなぜ起こっているのかという原因を突き止め、徹底的な洗浄をし、適切な治療法を見つけるためにも、硬性鏡を用いる価値は大いにあります。

無題.png rufy0001.jpg ノギ.jpg

今回の症例は、ノギが外耳道の奥に入り込んでしまったため、なかなか外耳炎が治らなかった犬です。ノギとは、イネ科の植物にみられる棘状の突起のことで、その形から、一回入り込んでしまうと自然に排出されるのは難しいのです。この症例は、麻酔下で硬性鏡を用いて、左右の外耳道から一つずつ異物であるノギを摘出し、徹底的に洗浄しました。この処置により、外耳炎は良好にコントロールできています。もともとアレルギー性の外耳炎持ちだったので、治療は継続していますが、1~2カ月に1回程度通院での耳道洗浄のみで維持できています。

写真1:硬性鏡

写真2:症例の耳道内の様子

写真3:ノギ

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WJVF ( West Japan Veterinary Forum ) 第9回大会に参加しました

WJVF ( West Japan Veterinary Forum ) 第9回大会に参加しました

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 今回の学会では犬猫の肺水腫に関する講演に加え、腎不全に関する講演を聞いてきました。

 心臓疾患が原因の肺水腫治療には利尿剤が欠かせません。肺が水浸しで呼吸困難をおこし、まさに命に関わる状態になるのが肺水腫です。ですが、利尿剤の使用は腎臓に負担をかけてしまいます。

いかに腎臓への負担を最小限にしつつ肺から水を抜くか、ギリギリの戦いをすることになります。

これまでの診断治療方法を覆す様な目新しい内容ではありませんでしたが、改めて肺水腫の緊急時の対応と腎不全を見直すきっかけになりました。

 肺水腫を起こす可能性の高い疾患に僧帽弁閉鎖不全症がありますが、この疾患はチワワなどの小型犬によく見られます。講師の先生のお話の中で、肺水腫を発症するきっかけで意外と多いものに、「高塩分食の摂取」があるそうです。もしお家のワンちゃんがこの病気でしたら、人の食べ物、特に味のついたものにはどうか気をつけてください。(もちろん、この病気の子でなくても人の食べ物の多くは犬や猫の健康上よくないものが多いので与えるべきではありませんが)

ねだられるとつい、「ちょっとなら・・・」と与えてしまいがちですが、本当にちょっとでも肺水腫を誘発することがあるとのこと。ほんの一刻の喜びが、命に関わる重大な事態になりうることを心に留めて置いていただければと思います。

阿部素子

今月の病気② うさぎの消化管運動機能低下症

うさぎの消化管運動機能低下症
エキゾチックアニマル科 山本茜
今回はうさぎの消化管うっ滞(RGIS)についてお話しします。
うさぎは長い消化管を持ち、体重の10~20%が消化管で占められています。
そして、各種のストレスや痛み、脱水や不適切な食事により容易に消化管の蠕動運動を低下させてしまいます。
このような様々な原因による消化管のうっ滞を
うさぎ消化器症候群(RGIS:Rabbit Gastrointestinal Syndrome)と呼びます。
慢性的な消化管うっ滞が起こると、便秘や食欲不振につながります。
重症例では全身性のショック状態を伴い、緊急処置が必要になる場合もあります。
食欲不振や便秘といった主訴で来院されたうさぎさんは、お腹を触って消化管の状態を確認します。
たとえば胃の中に内容物が貯留して膨張している場合はこのとき触知することができます。
続いて、口腔内検査を行って歯の不正咬合の状態を確認したのち、お腹のレントゲンに進みます。
慢性的な消化管うっ滞とひとことで言っても、胃、小腸、盲腸とうっ滞の箇所は様々です。
レントゲンによりチェックするのは胃の膨満の具合と胃内容の状態、および消化管内のガスの貯留のしかたです。
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この症例は前日からの食欲不振を主訴に来院されました。
胃内容物の軽度貯留と、胃内および盲腸内のガス貯留を認めます。
検査により物理的閉塞のない消化管うっ滞と診断した場合は、内科的治療にうつります。
基本的な組み合わせは、皮下補液と消化管の運動をよくするお薬です。
このとき使うお薬は消化管内ガスの貯留のしかたにより選択していくことになります。
場合によっては複数のお薬を併用します。
食欲不振が長く続いている子には、飼い主様による強制給餌が重要になってきます。
うさぎは身体の不調をギリギリまで隠す動物です。
また、うさぎは胃の構造上、犬や猫のように嘔吐することができません。
消化器の不調は食欲の低下や便の減少といった普段の生活の様子に現れることが多いです。
早期発見には、飼い主様による日頃の観察が大切です。

第19回日本獣医がん学会に参加してきました

今回のがん学会のメインテーマは「犬の鼻腔腫瘍」です。

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犬の鼻腔(鼻の中)腫瘍は犬の腫瘍症例の約1~2%を占める腫瘍の為多くはないが、日常的に遭遇する腫瘍です。特徴は進行性で経過が長く、鼻を中心にして周囲に病変が広がりますが、肺など遠くには転移しにくい腫瘍です。
<症状>
1,初期はくしゃみ、鼻水、時に出血はあっても抗生物質、止血剤、消炎鎮痛剤などで一時的に症状が治まることがあります。レントゲン検査では鼻の中(鼻道)に曇り(透過性の低下)が出ます。
2,中期では鼻から周囲が腫れた場合は顔の変形になり、喉が腫れた場合は食欲低下や呼吸に異常がでることがあります。
3,後期では脳の中に腫瘍が入った場合は、発作や異常行動を伴うことがあります。
<診断に不可欠な検査>
1,レントゲン検査
2,CT検査
3,生検(バイオプシー)
これらの検査は当院で可能となっております。
<治療>
標準的な治療には必ず放射線療法を組み込むことになります。
放射線治療には根治的療法(完全に治すことを目指す)として週5回で3~4週間放射線治療をする方法と、緩和的治療(症状を一時的に抑える)として週1回で3~4回放射線治療をする方法があります。また、緩和的放射線療法後に外科療法や化学療法(抗がん剤)、分子標的薬療法を併用する方法などがあります。
<今学会のトピックス>
放射線治療ができない場合に他の治療方法として、当院でも実施している治療や、今後検討できる治療方法を紹介します。
1,外科治療
超音波乳化吸引装置を用いて腫瘍の容積を減らす方法です。
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2,外科治療に分子標的薬を併用する方法、または分子標的薬単独の方法
腫瘍を超音波乳化吸引した後に分子標的薬であるリン酸トセラニブを投与するか、またはリン酸トセラニブ単独で治療する方法です。
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院長 吉田俊一 [ 獣医腫瘍科認定医Ⅱ種 ]
         淺田慎也 [ 獣医腫瘍科認定医Ⅱ種 ]

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