犬・猫の咳の原因や対処法|風邪だけではない重大な病気のサイン
「うちの犬が咳をしているけど、風邪かな?」
「猫がむせるような音を出しているけど大丈夫?」
そんなとき、多くの飼い主様は様子を見てしまいがちです。
しかし、犬や猫の咳には“風邪”以外にも、心臓・気管・肺などの重大な病気が隠れていることがあります。
今回は、犬と猫の咳の原因と、見逃せないサインや検査・治療について詳しく解説します。

■目次
1.犬の咳で多い原因と注意したいサイン|「風邪だと思っていたら心臓病」のケースも
2.猫の咳で考えられる原因と見分け方|毛玉吐きと勘違いされやすい
3.受診の目安と診察でわかること
4.まとめ|咳を軽く捉えずに早めの相談を
犬の咳で多い原因と注意したいサイン|「風邪だと思っていたら心臓病」のケースも
犬の咳は、飼い主様が「風邪」と考えて来院されることが多い症状のひとつです。
しかし、実際には心臓や気管の病気が隠れていることも珍しくありません。
特に小型犬では、心臓病や気管の異常による咳が多いと言われています。
犬の咳の主な原因と特徴
▼心臓病(僧帽弁閉鎖不全症)
中高齢の小型犬に多い心臓病です。心臓の弁がしっかり閉じなくなることで血液が逆流し、肺に負担がかかります。
この状態が進行すると、夜や早朝に「コンコン」と乾いた咳が出るのが特徴です。
階段を登るのを嫌がる、息が荒い、元気がないといったサインが見られることもあります。
▼気管虚脱(きかんきょだつ)
主に小型犬に多く、気管がつぶれてしまうことで空気の通り道が狭くなります。
「ガーガー」「ゼーゼー」とガチョウの鳴き声のような咳が特徴です。
首輪を引っ張ったあとや興奮時、気温差が大きいときに悪化することがあります。
心臓病や気管の病気は、進行するまで気づかれにくいこともあります。
「咳が続く」「息が苦しそう」「散歩中に立ち止まる」といった様子があれば、早めに動物病院で検査を受けましょう。
猫の咳で考えられる原因と見分け方|毛玉吐きと勘違いされやすい
猫の咳は、犬よりも見分けるのが難しく感じられるかもしれません。
毛玉を吐こうとしている仕草や、くしゃみに似ているように見え、生理現象と見過ごされてしまうケースもあるためです。
しかし、猫の咳の背景にはアレルギーや肺の病気が潜んでいることがあります。
猫の咳の主な原因と特徴
▼アレルギー性気管支炎・猫喘息
ハウスダスト、タバコの煙、花粉などのアレルゲンが気管支に炎症を起こし、「ヒューヒュー」「ゼーゼー」とした呼吸音や発作的な咳が出ます。
慢性的になると、呼吸困難を起こす危険もあります。
治療方法としては、環境の改善と吸入薬や抗炎症薬が効果的です。
喘息(アレルギー性気管支炎)についてはこちらで解説しています
▼腫瘍や肺の病気
中高齢の猫では、肺や気管支の腫瘍、肺炎、胸水などが咳の原因となることもあります。
元気や食欲が落ちた、呼吸が早い、体重が減ってきたといった変化を伴う場合は要注意です。
受診の目安と診察でわかること
犬・猫に共通して、次のような状態が見られたら、放置せず早めの検査をおすすめしています。
・咳が数日以上続く
・呼吸が苦しそう、息が荒い
・元気や食欲が落ちている
・呼吸のたびに「ヒューヒュー」「ゼーゼー」音がする
・体を低くして肩で息をしている
また、猫の場合は毛玉を吐くような動作をしても吐物が出ていない場合も病院に行くべきサインです。
動物病院で行う主な検査
咳の原因を見極めるには、身体のどの部分に異常があるかを調べる必要があります。
吉田動物病院では、症状や聴診所見に応じて以下の検査を組み合わせて行います。
・身体検査・聴診:呼吸音や心音の確認
・レントゲン検査:肺・気管・心臓の状態を確認
・心エコー検査:心臓病の有無や重症度を確認
・血液検査:炎症や感染、アレルギー反応の有無を確認
犬では心臓や気管の問題を、猫では呼吸器やアレルギー性疾患を中心に調べます。
原因が早く特定できれば、薬や環境改善で症状を抑えられるケースも少なくありません。
まとめ|咳を軽く捉えずに早めの相談を
犬や猫の咳は「ただの風邪」と思われがちですが、その背後には心臓や肺の病気、気管の異常など命に関わる疾患が潜んでいることもあります。
吉田動物病院では、飼い主様のお話を丁寧に伺い、咳の原因を見極めるための検査・治療を行っています。
「最近咳が増えた」「苦しそうな呼吸をしている」と感じたら、どうぞお気軽にご相談ください。早めの受診で、愛犬・愛猫の健康を守っていきましょう。
富山県射水市の動物病院 吉田動物病院
TEL:0766-52-1517
