第110回獣医循環器学会に参加してきました

 令和最初の3学会+1研究会合同学会です。
 毎年恒例で埼玉県の大宮で開催されております。

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  2016年に発表されたEPIC study(無兆候だが心拡大のある慢性房室弁疾患に対するピモベンダンの効果)をふまえて、今年ACVIM(アメリカ獣医内科学学会)のこの疾患の診断治療ガイドラインが改定されたことについての講演がありました。
 小型犬に多い心疾患である僧帽弁閉鎖不全症の治療について、ピモベンダンの投薬開始時期は以前のガイドラインより早い段階が推奨されること、そしてこれまでのガイドラインでは組み込まれていなかった手術による治療が含まれたことがこれまでとの違いです。
 また、この疾患の分類はこれまで通りA、B1、B2、C(慢性期、急性期)、D(慢性期、急性期)ですが、B1とB2の線引きが少し変更となりました。
 レントゲンで左心房のサイズの指標となるVLAS(脊椎左房サイズ)も新たに採用されました。
このことを踏まえてより効果的な治療を行えればと思っております。

 他に緊急時におこなわれる迅速簡易超音波検査(FAST)について、そして運動器のエコー検査についての講演を聴講してきました。

 非常に状態の悪い患者に対して、長時間の検査はさらに症状を悪化させ、救命率を下げる事にもなりかねません。といって、検査をしなければどこがどう悪いのかを特定できません。FASTは人の医療で活用されている迅速診断の為のエコー検査です。最近ではこれを獣医療に活用している施設も出てきました。
 この検査だけで全てがわかるわけではありませんが、当院でもより迅速に的確な診断と治療を行う努力を続けていきたいと思います。

 超音波診断装置は進化を続けており、最新機器では心臓の動きを3Dで解析することもできるようになっていますが、そこまでの高機能を備えていなくても、解像度の高い機種なら関節の筋、腱、脂肪、軟骨の状態をよくとらえることがます。レントゲンではわかりにくい小さな異常や、前肢後肢を動かしながらリアルタイムで関節等を観察できますので、今後超音波診断機器の活用範囲はさらに広くなりそうです。

阿部素子