エキゾチックペット研究会20周年セミナーに参加してきました

エキゾチックペット研究会20周年セミナーに参加してきました

11月3日、4日と2日間にわたり東京で開催されたエキゾチックペット研究会の学会に参加してきました。
今回は本研究会の20周年記念ということもあり、
海外から講師の先生をお呼びした国際セミナーも開催されました。
国内の先生方とはまた異なった観点からのお話もお聞きすることができ、貴重な経験となりました。

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山本 茜

鳥類臨床研究会第22回年次大会に参加してきました

今月7日に開催された鳥類臨床研究会第22回年次大会に参加してきました。

大会では、症例発表や研究報告など鳥類の臨床に関する様々な分野の発表が行われました。

昨今、飼育数が増えてきたサザナミインコにおける症例発表では、体表腫瘤や腹部膨大等を認めた7症例において病理組織検査を実施したところ感染症、非腫瘍性病変、腫瘍病変が認められ、特にリンパ系腫瘍の好発傾向が示唆されたと報告されていました。

サザナミインコは当院でも来院は見られますがその数はまだ少なく、これまで文献上の情報も少なかったので、今後同じような症例を見かけたときには診察の参考にしていきたいと思いました。

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井出いづみ

WJVF ( West Japan Veterinary Forum ) 第9回大会に参加しました

WJVF ( West Japan Veterinary Forum ) 9回大会に参加しました


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 今回の学会では犬猫の肺水腫に関する講演に加え、腎不全に関する講演を聞いてきました。

 心臓疾患が原因の肺水腫治療には利尿剤が欠かせません。肺が水浸しで呼吸困難をおこし、まさに命に関わる状態になるのが肺水腫です。ですが、利尿剤の使用は腎臓に負担をかけてしまいます。

いかに腎臓への負担を最小限にしつつ肺から水を抜くか、ギリギリの戦いをすることになります。

これまでの診断治療方法を覆す様な目新しい内容ではありませんでしたが、改めて肺水腫の緊急時の対応と腎不全を見直すきっかけになりました。

 

 肺水腫を起こす可能性の高い疾患に僧帽弁閉鎖不全症がありますが、この疾患はチワワなどの小型犬によく見られます。講師の先生のお話の中で、肺水腫を発症するきっかけで意外と多いものに、「高塩分食の摂取」があるそうです。もしお家のワンちゃんがこの病気でしたら、人の食べ物、特に味のついたものにはどうか気をつけてください。(もちろん、この病気の子でなくても人の食べ物の多くは犬や猫の健康上よくないものが多いので与えるべきではありませんが)

ねだられるとつい、「ちょっとなら・・・」と与えてしまいがちですが、本当にちょっとでも肺水腫を誘発することがあるとのこと。ほんの一刻の喜びが、命に関わる重大な事態になりうることを心に留めて置いていただければと思います。

 

阿部素子

第19回日本獣医がん学会に参加してきました

今回のがん学会のメインテーマは「犬の鼻腔腫瘍」です。

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犬の鼻腔(鼻の中)腫瘍は犬の腫瘍症例の約1~2%を占める腫瘍の為多くはないが、日常的に遭遇する腫瘍です。特徴は進行性で経過が長く、鼻を中心にして周囲に病変が広がりますが、肺など遠くには転移しにくい腫瘍です。

<症状>
1,初期はくしゃみ、鼻水、時に出血はあっても抗生物質、止血剤、消炎鎮痛剤などで一時的に症状が治まることがあります。レントゲン検査では鼻の中(鼻道)に曇り(透過性の低下)が出ます。

2,中期では鼻から周囲が腫れた場合は顔の変形になり、喉が腫れた場合は食欲低下や呼吸に異常がでることがあります。

3,後期では脳の中に腫瘍が入った場合は、発作や異常行動を伴うことがあります。

<診断に不可欠な検査>
1,レントゲン検査
2,CT検査
3,生検(バイオプシー)

これらの検査は当院で可能となっております。

<治療>
標準的な治療には必ず放射線療法を組み込むことになります。
放射線治療には根治的療法(完全に治すことを目指す)として週5回で3~4週間放射線治療をする方法と、緩和的治療(症状を一時的に抑える)として週1回で3~4回放射線治療をする方法があります。また、緩和的放射線療法後に外科療法や化学療法(抗がん剤)、分子標的薬療法を併用する方法などがあります。

<今学会のトピックス>
放射線治療ができない場合に他の治療方法として、当院でも実施している治療や、今後検討できる治療方法を紹介します。

1,外科治療
超音波乳化吸引装置を用いて腫瘍の容積を減らす方法です。
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2,外科治療に分子標的薬を併用する方法、または分子標的薬単独の方法
腫瘍を超音波乳化吸引した後に分子標的薬であるリン酸トセラニブを投与するか、またはリン酸トセラニブ単独で治療する方法です。
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院長 吉田俊一 [ 獣医腫瘍科認定医Ⅱ種 ]
         淺田慎也 [ 獣医腫瘍科認定医Ⅱ種 ]









獣医神経病学会2018に参加してきました。

630日〜71日に岩手県盛岡市で開催された獣医神経病学会2018に参加してきました。
今回のテーマは重症筋無力症と特発性脳炎でした。

重症筋無力症とは、神経から筋肉へ情報を伝達する部位の異常が原因で起こる病気で、3つの型に分類されます。
部分的に症状が出る型(局所型)では、顔の筋肉に異常が出るためまばたきができなくなったり、食道にも異常が出るため飲み込んだ食べ物が胃まで流れずに吐いてしまう(巨大食道)という症状がでます。
全身型では、体が疲れやすくなってしまうため歩き始めは普通ですが、少し歩くとふらついたりへたりこんでしまいます。
最後は劇症型というもので、急性に呼吸困難や運動障害がでます。
診断は血液検査で行い、原因となる抗体が検出できれば確定診断となります。しかしこの病気であっても血液検査で抗体が検出できないケースもあり、その場合はさらに詳しい検査が必要になり診断も困難となります。
この病気が診断された場合は内服による治療を行いますが、食道の症状が残るケースもあり、その場合はフードや水を吐くことによる誤嚥性肺炎を引き起こし死に至る場合もあります。
そのため早くこの病気を診断し、適切な治療と食事の指導を行うことが重要となります。

もう一つのテーマである特発性脳炎は小型犬で発症する病気で、若齢での発症が多いことが特徴です。そして中型〜大型犬ではほとんどみられません。
脳炎を発症するとてんかん発作や意識障害、失明など病変がある部位によって様々な神経症状が認められます。
診断は神経症状の存在とMRIによる画像診断で暫定的に行います。さらに血液検査により抗体を検出することも診断の補助になります。ただし脳の病気はその他の部位の病気と違い、組織検査が非常に困難であるため、生前に確定診断を行うことは困難です。
そして治療にはステロイドをはじめとする免疫抑制剤を用い、早期からしっかり薬を使うことがとても重要です。しかし中には治療に反応しない難治性のケースもあり積極的な治療にも関わらず死に至ることもあります。
このように特発性脳炎は怖い病気ですが、近年の研究で小麦の摂取が発症に関係している可能性がわかりました。そのため脳炎が疑われた場合は、積極的な内科治療に加えて適切な食事管理も必要となる可能性があることが新たにわかりました。

いずれも比較的まれな病気ですが(特に重症筋無力症)、特徴的な症状や好発する犬種の場合は早期に検査を行い、特発性脳炎の場合は早期の治療が、重症筋無力症の場合は自宅でのケアが重要となるため、少しでも飼い主様の力になれるよう頑張りたいと思います。

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淺田慎也

第108回日本獣医循環器学会に参加してきました

昨年話題になった僧帽弁閉鎖不全に対する治療についてのEPIC STUDY(エピック試験)の後発表されたVALVE STUDY(バルブ試験)についての講演がありました。

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EPIC STUDYは僧帽弁閉鎖不全症のうちの左心房拡大及び左心室拡大もおこしている犬(ACVIM重症度分類B2の中の左心房及び左心室の拡大を呈しているもの)の治療にピモベンダンを投与すると投与しない犬よりもうっ血性心不全(肺水腫)の発症を遅らせることができるというものでした。

VALVE STUDYは僧帽弁閉鎖不全ですでに肺水腫を発症した犬を対象に行われた研究です。重症度分類ではACVIMCに該当します。

肺水腫の治療には利尿剤が必要です。利尿剤のフロセミド、強心血管拡張薬ピモベンダン、および血管拡張薬であるACE阻害剤の3剤を使った治療が主流でした。

VALVE STUDYはこの3剤を使った治療(トリプルセラピー)に対して、ACE阻害剤を除いた2剤での治療(ダブルセラピー)の治療効果を比較したものです。

トリプルセラピーの方がより治療効果が高いだろうというおおかたの予想に反し、結果はACE阻害剤を使っても使わなくてもほとんど差がない、むしろ使わない方が少し良いのではないか、という傾向がみられました。

これを読まれると、今トリプルセラピーを受けている方が誤解をされてはいけないので補足します。

ACE阻害剤という薬は副作用もあまり起こさず、過去の研究では僧帽弁が変性していびつになるのをある程度防いでくれるというデータもあります。

肺水腫の治療中に腎不全を起こした際の腎血流を改善させる効果も期待できるので、循環器の専門医からも今使っていてコントロールされている肺水腫なら継続してもよいのではとの意見も出ています。

同じ僧帽弁閉鎖不全でもその症状の重さや合併している疾患、現在の体の状態により使用する薬は適宜調節する必要があります。

病院とおうちの方とでしっかりと情報交換をしてより良い状態で維持できるよう、治療していきたいと考えております。

阿部素子